医師転職サイトの情報からみる医師の転職の市場状況は？

医師の転職市場は、売り手市場の状況が長く続いています。

求職者の方が少なく、求人が多い状況ですので、求人サイトなどに掲載されている給与や勤務条件について交渉の余地がある求人が多くなっています。

中長期のキャリアプランを形成するための転職として、交渉の余地がある現在の状況は、転職を希望する医師にとっては有利な状況です。

医師は都市部に集中する傾向 地域医療は転職に有利

医師の転職は売り手市場ですが、医師自体が都市部に集中する傾向あるため、地域医療において特に医師が不足している状況です。

2015年に日本医師会が実施した「必要医師数調査」の結果では、2010年の厚労省の調査時よりも改善しているものの、「地域において必要な診療を維持するために確保が必要な医師数」の倍率は1.11倍で依然、地域での医師不足が継続しているとの結果になっています。

都道府県別で必要医師数の倍率が高かったのは、島根県（1.34倍）・福井県（1.24倍）・岐阜県（1.21倍）となっています。

医師の採用方法は？医師転職サイトの利用は多い？

日本医師会が実施した調査では、医師の採用についてよく利用する方法を最大3つまで選択する方式で聞いた質問では、1位が「大学（医局等）への依頼」が75.1％、次いで「民間職業紹介事業者」で46.9％、「直接採用（個人的に依頼、縁故）」が44.2％となっています。

大学の医師派遣機能は弱体化が指摘されていますが、依然、医局への依頼は多い結果です。ただ民間の事業者も思ったよりも多いというイメージではないでしょうか？

医師転職サイトの利用 医師が転職・転科前に考えておきたいこと

転職や転科によって働く場所が異なれば、役割や責任、業務内容が大きく異なってきます。転職後に医師としてどのようになりたいか、将来どうなりたいかという目標を明確に設定しましょう。

希望する条件を整理し、転職後のキャリアプランを明確にすることで、転職先を絞っていくことができます。

キャリアプランを作成　転職後にどのようになりたいかという目標を明確に設定 自分の経歴を詳しく知ってもらうために手術経験や件数などや、どのような実績を積んできたかなどを分かりやすくまとめておきましょう。

情報収集から経歴の棚卸し、面接、退職の手続きまで、転職活動のなかで不安を感じる場面は多々あると思います。

一人で解決するのが難しい場合には、人材紹介会社に登録し、転職コンサルタントに相談して第三者の意見を取り入れてみるのもおすすめです。

医師転職サイト・転職エージェントを利用するメリット

医師転職サイトは、一般的な求人情報サイトとは異なり、求人情報を見せるだけのサービスではありません。転職を希望する医師と、医師を採用したい病院・医療機関の仲介を行うサービスです。

医師転職エージェントが転職のサポートを行います。転職エージェントは実際に病院に足を運び現場の情報を収集しています。医療業界の市場動向や、他の医師の転職の成功事例や失敗事例など一般的には手に入りにくい情報を多く持っています。

転職前に、各医療機関の内情を教えてくれたり、自分のキャリアプランに応じた客観的なアドバイスをもらうことができます。転職のための情報収集などにとられる時間を節約することができ、最新の情報に触れることができ転職を有利に進めることができます。

面接対策や、履歴書・職務経歴書の作成方法やコツなどもアドバイスしてもらえます。医師という特殊な職業の場合は履歴書などもひと工夫が大切になってきます。

また、転職希望先の医療機関との給与交渉や勤務体制の交渉など、個人では交渉しにくい内容でも転職エージェントが間に入って交渉してくれます。

病院自体がホームページなど公開している求人の場合は、応募から面接などの日程調整など全て自分で行わなければならず、多忙な先生の場合は日程の調整がうまくいかず転職をあきらめてしまう場合もあります。

医師転職サイトの場合であれば、転職エージェントが先生の代わりに日程調整等も行ってくれます。

転職サイトでは、「コンサルタントに相談を」というセリフを良く見かけると思います。求人や待遇などについて相談できるのはもちろん、「転職や転科の判断を相談」や「今の職場の待遇などを相談」など、本当にさまざまな内容を気軽に相談できるサービスです。

医師転職サイトは医師の非公開求人を知ることができる

一般に公開されている医師転職情報には出てこない非公開・匿名の求人情報を知ることができます。

医療機関では求人を出していることを知られたくない場合や、応募が殺到することを避けるためなど様々な理由で求人情報を非公開で扱う場合が多くなっています。

こういった非公開求人の情報を知るためには、医師転職サイトへ登録し転職エージェントから入手することが一般的です。公開求人では知りえなかったような好条件などに触れることができます。

医師の非公開求人には、役職付きや高年俸など好条件の求人が多い特徴があります。非公開求人は転職希望者にメリットが多く、例えばエムスリーキャリアで転職した医師の約90％は非公開求人を利用していると公表されています。

医師の求職支援サービスを活用すると、非公開求人も含めて多くの情報から最適な勤務先を選び出すことができます。
また、コンサルタントに医師転職市場の動向や転職活動のノウハウを確認することや、医療機関に直接伝えにくい雇用条件の交渉を任せるといったことも可能です。

医師転職サイト・転職エージェントのコンサルは無料で利用できる

就職・転職業界などの人材紹介会社は成功報酬型のビジネスモデルになっています。

医師の転職が成功した場合に成功報酬として医師の年収の数パーセント～10％程度の報酬が支払われますので、医師転職サイト・転職エージェントを利用する医師は利用料金なしで利用することができます。

医師転職サイトの上手な利用方法

医師転職サイト・転職エージェントは利用する側の医師には一切費用の負担がありませんので、複数の医師転職サイトへ登録することをおすすめいたします。

複数の転職エージェントから多角的にコンサルを受けることができるため、転職を成功に導きやすくなります。また、医師の求人情報自体のボリュームが増えますので、提示される非公開求人の絶対数も増え、多くの選択肢から検討することができます。

医師転職サイトの対応エリアは、日本全国対応のところがあれば首都圏だけのところもあるなど、各医師転職サイトによって違いがあります。

自分が転職を考えているエリアに対応している転職サイトを利用しなければ意味がないので、対応エリアはすべての医師に共通したチェックポイントです。

医師転職サイトへ登録だけでも行っておく

医師の転職は一般職に比べると特殊な環境とも言えます。転職したいと思った時から医師転職サイトなどを探すのではなく、あらかじめ複数の医師転職サイトに登録して、キャリアプランなどの相談を行って情報収集をしておくことで実際に転職を考える時に迅速に対応することができます。

また、現在の働き方が最適なのかを計ることもできます。医師の働く環境も年々変化がありますので、将来に備え情報を収集するためにも早めの医師転職サイトへの登録をおすすめしています。

医師転職サイトのおすすめまとめ

必要求人医師数倍率の高いリハビリテーション科や救急科はこれからも売り手市場が続く診療科と言えるでしょう。

また医師数が不足している産科、心療内科、病理診断科、感染症内科などもこれから求人が顕在化してくるでしょう。

また都市部への医師集中は今後もトレンドであると考えられるため、地方に行けばより医師の売り手市場を実感できるかもしれません。